乳がんと告知されたら、次はまず何をしたら良いのでしょう
「ああ…そうですか」
次の瞬間、仕事のメモにつかっている手帳を取り出す。
医師「ごめんなさいね、一ヶ月モタモタしちゃって。あなたは…ご家族と同居されているの」
みゆ「はい。…母がちょっとパニック障害なので、……言うのがツライですね…。
で、先生、わたしは次に何をしたら良いのでしょう」
医師「まず、手術ですね。紹介状を書いて、検査の標本をあげますから、手術をする病院を決めてください」
みゆ「あの、先生がよく紹介状を書いている病院はどこですか」
医師「ご希望のところ、どこでも書きますよ」
みゆ「聖路加病院とか」
このとき、ただ「大病院」というイメージと、週刊誌などで見る日野原ドクターの顔写真が浮かんだので聞いてみた。
医師「聖路加、虎ノ門病院、築地のがんセンターとか、患者さんの中には、すべての病院で診察を受けてからどこで手術をするか決めたいので、「3通書いて下さい」という人もいますよ」
みゆ「今の所は、01年に子宮筋腫で入院しているので、地元だし、カルテがあるので
G病院にしようかと思っています」
医師「もし、何か聞きたい事があったら、時間を作ってあげるからご両親に言いなさい。
と、いっても、実際に治療するのは手術する主治医になると思うので、わたしはあくまでも一般的な乳がん治療の話になってしまいますけどね。
あなたの場合、シコリは小さいですし、乳首から離れているし、リンパも腫れていない。
90%の(生存率の)早期だと思いますよ。90%って何だ、あとの10%は?って思われるかもしれませんけど、医者は100%大丈夫とは言わないものなんです」
みゆ「はい…」
生存率、という言葉で頭がクラクラです。
医師「たぶん、乳房温存手術でいけると思います。その後、抗がん剤治療などあるかもしれませんが」
みゆ「………」
抗がん剤、という言葉でかなりビビる。
みゆ「あの、お金はごーくかかりますか?」
医師「がん保険入ってます?」
みゆ「はい」(ふたつも)
医師「がん保険に入ってるんなら、大丈夫!心配ないですよ!」
午後1時を過ぎ、休憩時間に入ったので、クリニックのロビーの電気は消され、事務の方は食事に行っていた。
まっくらな中、ドクターが会計してくれて、わたしは放心状態で会社に帰りました。