リンパ浮腫教室
手術した病院での「リンパ浮腫ケア教室」があったので参加してきました。
といっても私は「センチネルリンパ節生検査」という、乳房のがんの切除手術中にリンパを切って顕微鏡で見、その状況で転移の道筋となるリンパ節を何個取るか決めるという手術だったので、すべてのリンパを取る「郭清」ではなかったのです。
(取ったリンパ節も確か1個だったように思います)
では、残りのリンパ節もあるし後遺症は無いでしょう?というとそうではなくて、
毎日ではないけれど切ったほうの腕に「違和感」を覚えるときがあり、自己流でさすっていました。
なので
●私のさすり方、問題ないの?
●15分マッサージとか、受けてもいいの?
●日常生活の注意点
などなど知りたいと思い、参加しました。
その結果
●リンパ郭清でない場合、そんなに神経質になる必要はない
●さすり方は、通常のリンパマッサージは「末端」から行うが、残っているリンパは通常より多い量のリンパ液を通すため先に脇の下やソケイ部をさすってから、末端のリンパ液を移動させる方がよい
●人間のリンパ節の数には個人差があり、取った数と浮腫のリスクは関係が無い(へー!)
●乳腺外来の看護婦にとっても「乳がん」は他人事らしい
という事が理解できました。
10:00から10:45分講義、15分休憩で11:00よりマッサージの仕方を教えてもらいました。
教室のリーフレットは通院治療室(明るい大広間で明るい看護婦さんが採血・注射・点滴してくれるトコ)にあったので、子宮がん・卵巣がんの方もいらっしゃるのかなあと思ったのですが、全員が乳がん患者とのことでした。
お2人が入院中(うち1名はドレーンはずしたばかり、術前抗がん剤の方)
あとは外来の患者6名でした。
リンパ浮腫について書かれたパンフレットと、商品取扱い表が配布されました。
書籍も薦められましたがhttp://www.7andy.jp/books/detail?accd=31769289
3990円!
患者さんたちは「高―い!」と言いましたが、看護士さんは
「医療書って、高いんですよね」(あったりまえでしょ)とサラリと。
ああそう、他人事だもんね、とちょっと思ってしまったわたしでした。
切ってしまったリンパは元に戻らないので、他の方法でリンパ液を循環させる必要があるということ。そのために「複合的理学療法」といわれる方法を取るそうです。
それは
皮膚の手入れ(むくみがあると手・腕がぱんぱんに腫れてしまい、乾燥・傷がもとで感染・炎症(蜂窩繊炎)してしまうリスクが生じる。これをふせぐため清潔に保ち、ノンアルコールの保湿化粧品などで健やかに保つことが必要との事でした。
徒手リンパドレナージ
エステやマッサージと区別するための呼び名。素手を素肌を密着させ、接する面積を広くとりながらリンパ液を移動させる方法。
「でも、裸になってさするなんて、お風呂以外ではできませんよね(笑)」
笑いすぎ。ああそう、他人事だもんね、とまた思うわたし。
圧迫療法 弾性包帯、圧迫衣で太さを改善する
運動療法 ウォーキングなど
で、効果をあげることができるとの事でした。
休憩後、図にそってドレナージ実習。
看護効果協力者をつのる説明がありました。
看護効果について
私の病院では2年前まで、リンパ浮腫の治療を行っていたのですが、専門医ではなく鍼灸・マッサージ師の方が出向して行っていたことと、保険が利かない事が原因でリンパ浮腫ケア部門が「廃止」となってしまったのだそうです。
なので今後、リンパ浮腫を治療する「複合理学療法」に本当に効果があると証明されれば保険適応にもなり得るということで、教室を受けた人で可能な方は効果測定に協力して欲しいという説明がありました。
毎日のマッサージ・運動・スリーブストッキンング着用をして4ヶ月記録をつけるというもので、教室中は「リンパを取った数と、浮腫のリスクは関係ない」と、センチネルでもよさそうなかんじだったので(協力してもいいかな?)と思ったのですが、家に帰ってパンフレットを見たら「リンパ郭清を受けた患者さんに限る」となっていたので、電話で問い合わせ辞退となりました。ざんねん。
でも問い合わせ中私のカルテを見てるのに「うちの病院で手術したのではないんですね」(したわよ)「郭清の方だけが対象なんですよ」「センチネルなのに、むくみなんてありますかあ?」となんか、ヤなかんじで言われたので、協力しなくてよかったかもです。
役に立つ教室ならば、お薦めしたいのですが、やっぱちょっと配慮に欠ける感があり、お薦めできませんでした。
●質問への答え
患者の中にはエステサロンで「リンパ郭清の方への施術はお断りします」と言われてしまった人がいたそうです。
看護士の答え「体にいいことをしようと思って岩盤浴や温泉に行き、血行良くなったのにリンパが滞って、むくんだ、っていう例もあるんですよ。だから、マッサージ機、EMS、すべて辞めたほうがいいという医師もいると思います」
患者「ええー」
看護士「でも、やりっぱなしではなく、何かしたらドレナージュを行うようにすれば良いのではないでしょうか。あと、リンパ切除していない付近、顔や足へのマッサージなどは問題ないと思います」
みゆ「あの、15分マッサージも受けてよいでしょうか」
看護士「大丈夫だと思います」
みゆ「蜂窩繊炎の疑いがあるときは、いきなり「がん研」に来ていいんですか?手術の事を話して、皮膚科とかに行くのがいいのでしょうか」
看護士「あ、乳腺外科を予約してもらって大丈夫ですよー」
だそうですよ。
そしてなぜか、他の症状の話題に。
患者「傷の付近が固いんですけど」
みゆ「瘢痕(はんこん)ってことですよね」
看護士「あ、瘢痕は、毎日マッサージして下さいね。でないと、固いままですから」
患者「え、なおらないの」
看護士「瘢痕はね、戻らないんですよ」(断定)
みゆ(そうか?放射線治療半年経って、実感として柔らかくなってる気がするけど)
患者、狼狽。
(戻らないって断定すんなよ。アンタ勉強してるかもしんないけど、乳がん経験無いでしょ)
と、言いたかったけど、「これがうわさのモンスターペイシェント(猛烈患者)か」と思われたらヤなので、がまんしました。
あと私、手術してないほうの手がしびれてしびれてぴりぴりなのですが
他のみなさんは
「そんなことない」
だそうです。